ここで、現在の名古屋市におけるMaaSの取り組みについて説明します。

結論から述べると、名古屋市中心部において、MaaSの取り組みは行政単位では行われておりません。

愛知県内でのMaaSやスマートシティ構想への取り組みは、岡崎市や春日井市、豊田市など郊外の主要都市ではプロジェクトが進んでいるものの、名古屋市中心部では練られていません。

唯一名古屋市でも構想が進んでいるものは、2022年秋に開業するジブリパークに合わせ、名古屋東部丘陵地域(名古屋市名東区・瀬戸市・豊田市・日進市・長久手市)でのMaaSの実装に向けた取り組みですが、これも郊外都市中心でのプロジェクトと言って良いでしょう。

よって名古屋市のMaaSの取り組みは行政単位では行われておらず、各企業の先導で行われているものがほとんどです。

企業における取り組み

では、名古屋市の企業によるMaaSの取り組みを紹介します。

名鉄Touch

名古屋鉄道株式会社によるMaaSアプリ。運行情報配信やダイヤ検索、名鉄タクシーの配車・予約などの機能があります。また、交通系ICカードmanacaの残高照会を行うこともできます。2022年3月実装予定の「新名鉄Touch」では、任意の出発地から目的地までの最適な交通手段の検索ができるマルチモーダル機能や、バスの 1 日乗車券や観光施設の入場券などのキャッシュレス決済が可能なデジタルチケット機能が追加される予定です。

カリテコ

名鉄協商株式会社によるカーシェアリングサービス。会員登録後、予約から支払いまで対面手続きなしで利用できます。名駅、栄エリアを中心にカリテコステーションが点在しており、24時間いつでも使用可能。入会金・月会費・駐車場代・ガソリン代0円で、15分187円~の料金体系がとられています。

カリテコバイク

名鉄協商株式会社によるレンタサイクルサービス。クレジットカードの事前登録ですぐに利用できます。d払い利用者であれば会員登録不要。アプリでは、マップ上での自転車台数確認や利用履歴の確認ができます。カリテコと同様、名駅、栄エリアを中心にサイクルポートが設置されています。料金は30分165円、以降30分ごとに110円が加算されます。1日パスもあり、最大料金が適用されるため安心してサービスを利用できます。

でらチャリ

蔦井株式会社が運営管理する栄ミナミレンタサイクル。専用アプリで会員登録を行う必要があります。利用方法やアプリの仕様はカリテコバイクとほとんど同じですが、サイクルポートは栄駅中心とやや設置範囲が狭く、料金は1時間100円、1日最大500円と比較的安価です。

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