本プロジェクトの目的 町内会WEB化計画

今、多くの町内会が「衰退」や「消滅」の危機に瀕しています。
原因は人口減少、加入率の低下、役員のなり手不足など、地域によっても異なりますが、その多くは従来の町内会の在り方が現代社会に合っていないということに起因するものだと考えます。
そこで我々は、現代社会に適した新たな町内会を再デザインしようと考えました。
抱える問題は町内会ごとに違うため、典型的な特徴を持つ架空の町内会を設定し、問題の解決に導きます。
典型的なモデルの町内会の衰退に関する問題を解決することで、モデルの町内会に似た町内会の問題も解決できる可能性を示せると考えます。

モデル設定

  • 地域
    • 都会よりの場所(名古屋、緑区や大曾根等)
  • 住人の特徴
    • 人数は数百~千人(世帯)
    • 年齢構成は若年層から中年層が多め
    • 人の流動性が高い(引っ越しが多い)
    • 子供がいる世帯の割合は減少傾向
    • 共働き多め
    • 外国人がそれなりにいる

課題と原因

近年、設定モデルのような町内会の抱える課題として、町内会の衰退があります。

その原因は

  1. 加入率の低下
  2. 役員のなり手不足

です。

加入率の低下について、データを用いて確認します。


右のグラフは、名古屋市における町内会加入率を示しています。

2010年の80.2%から年々低下し、2018年には71.4%まで落ち込んでしまったことが分かります。

(名古屋市市民経済局地域振興課(2020)による学区別生活環境指標を基に作成)



右のレーダーチャートは、名古屋市における各区の町内会加入率の遷移を示しています。

どの区においても、ここ数年で加入率が低下していることが伺えます。(ibid. 2020)

これらのデータから確かに「加入率の低下」が起きていることが確認できます。

原因を詳しく

町内会の衰退の原因は

  1. 加入率の低下
  2. 役員のなり手不足

です。

では、「加入率の低下」と「役員のなり手不足」という問題の原因はなんでしょうか。

それは、整理すると

  1. 仕事量が多い
  2. 意義や魅力に欠ける

という2つに分けられると考えました。

以下のテーブルは、問題の原因と、後に説明する解決法を、整理したものです。

wdt_ID 原因 原因の原因 カテゴリ_原因の原因 解決方法 解決理由
1 役員のなり手不足 役員をやることによるメリットがない 意義や魅力 未解決 未解決
2 加入率の低下 転入者にとって入会方法が分からない 方法 未解決 未解決
3 役員のなり手不足 共働き世帯の増加による多忙 仕事量 解決① 機能のweb化 デジタル化により負担を減らす(回覧板、名簿、集金、出欠管理)
4 加入率の低下 メリットを認知していない 意義や魅力 解決① 機能のweb化 町内会に入ることによって公共サービスを受けられているということを実感できるようにする
5 加入率の低下 メリットを認知していない 意義や魅力 解決① 機能のweb化 地域に特化した詳しいハザードマップなど、必要不可欠な情報を提供する
6 加入率の低下 入会に伴って発生する仕事 仕事量 解決① 機能のweb化 デジタル化により負担を減らす(回覧板、名簿、集金、出欠管理)
7 加入率の低下 近所づきあいが面倒くさい 意義や魅力 解決② 参加度の選択 関わり度合が選べる
8 加入率の低下 若者・子供がいない世帯にとって入会する明確な理由がない 意義や魅力 解決② 参加度の選択 選ぶことによって対価と教授が釣り合う
9 加入率の低下 入会に伴って発生する仕事 仕事量 解決② 参加度の選択 仕事量が調整できる
原因 原因の原因 カテゴリ_原因の原因 解決方法 解決理由

加入率の低下の原因について、原因として、以下の5つを考えました。

  • 転入者にとって入会方法が分からない
  • メリットを認知していない
  • 入会に伴って発生する仕事
  • 近所づきあいが面倒くさい
  • 若者・子供がいない世帯にとって入会する明確な理由がない

役員のなり手不足について、原因として、以下の2つを考えました。

  • 共働き世帯の増加による多忙
  • 役員をやることによるメリットがない

これらの原因は大きく「仕事量の問題」、「意義や魅力がない問題」という2つに分類できると思います。

仕事量の問題

  • 入会に伴って発生する仕事
  • 共働き世帯の増加による多忙

意義や魅力がない問題

  • メリットを認知していない
  • 近所づきあいが面倒くさい
  • 若者・子供がいない世帯にとって入会する明確な理由がない
  • 役員をやることによるメリットがない

町内会が意義や魅力に欠けるということと、共働き世帯の増加について、データを用いて確認します。

のグラフは、若者にとって町内会に入会する明確な理由がないことを示しています。

特に18~29歳の若者にとっては町内会は大きな存在ではないことが伺えます。(内閣府 (2019)による「少子化対策と家族・地域のきずなに関する意識調査」を基に作成)

また、以下のグラフは、共働き世帯の増加を示しています。

1980年には男性雇用者と無業の妻から成る世帯が多くを占めていたのに対し、1990年代には両世帯がほぼ同数となり、近年は雇用者の共働き世帯が圧倒的に増加していることが分かります。

このような局面において、町内会の業務は負担と感じられることが多く、また、町内会の活動への参加が困難であることが推察されます。(厚生労働白書(厚生労働省, 2018)を基に作成)

以上の問題の解決策を2つ考えました。次のページで詳しく説明します。

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解決① 機能のweb化