町内会WEB化計画とは?

今、多くの町内会が「衰退」や「消滅」の危機に瀕しています。

原因は人口減少、加入率の低下、役員のなり手不足など、地域によっても異なりますが、その多くは従来の町内会の在り方が現代社会に合っていないということに起因するものだと考えます。

そこで我々は、現代社会に適した新たな町内会を再デザインしようと考えました。

典型的なモデルの町内会の衰退に関する問題を「Webサイト」を通じて解決することで、モデルの町内会と同様の性質を持つ町内会の問題も解決できる可能性を示せると考えています。

町内会の存在意義

まず、そもそも町内会の存在意義、町内会が果たす役割とは何でしょうか?

分類するならこのように3つに分けられると考えました。

  • 必須(地域の機能として必要&本人である必要)
    • 地域特有の情報の伝達
    • 災害時の対応・安否確認
  • 選択(地域の機能として必要&本人である必要無し)
    • 生活に必要な公共サービスの提供
    • 防災
  • 任意(機能として必須ではない)
    • 地域住民の交流を深める&支え合い
    • 地域の活性化
    • 人によっては生きがい

町内会の衰退を対処しなかったら

このまま町内会の衰退を対処しなかった場合、加入率の低下によって町内会を解散するという可能性が考えられます。

町内会が解散した町では、災害時に弊害が生まれます。

町内会の役割のひとつとして、災害時の安否確認があります。安否確認をすることで、避難することができたのか、または消息が不明なのかを判断し、迅速な救助活動をすることができます。安否確認が行われない場合、不明者の把握ができないため、実際は無事避難できている人を不明者だとして捜索してしまうなど、救助活動に無駄な時間がかかってしまいます。その結果、助けられる命も助けられなかったという事態を招きかねません。

また、災害時には救助活動をする人手もたりないため、町内会が協力をして救助活動を行います。町内会の中で自主防災組織を作り、避難誘導班や救護班といった役割を決めておくことで、災害における被害を軽減することができます。

東日本大震災後には、町内会の必要性が論じられ、讀賣新聞の記事によると、「青森県八戸市では、町内会を母体に地域で組織される自主防災組織が、東日本大震災後に38も設立され、災害時の地域コミュニティの役割が再認識されています。」とあり、災害時において町内会の役割が重要であることが、東日本大震災を経て再認識されています。

『讀賣新聞』、2018年11月4日、「加入率減少、不要論も…「町内会」は変われるか」 

町内会のモデル設定

抱える問題は町内会ごとに違うため、典型的な特徴を持つ架空の町内会を設定し、問題の解決に導きます。

典型的なモデルの町内会の衰退に関する問題を解決することで、モデルの町内会に似た町内会の問題も解決できる可能性を示せると考えます。

以下が、今回設定する町内会のモデルです。

  • 都会よりの場所(名古屋緑区や大曾根など)
  • 年齢構成は若年層から中年層が多め
  • 共働き多め
  • 人数は数百~千人(世帯)
  • 人の流動性が高い(引っ越しが多い)
  • 子供がいる世帯の割合は減少傾向
  • 外国人がそれなりにいる

町内会の課題・原因

近年、以上のような町内会の抱える課題として、「加入率の低下」および「役員のなり手不足」に伴う町内会の衰退があります。

以下のグラフは、名古屋市における町内会加入率を示しており、2010年の80.2%から年々低下し、2018年には71.4%まで落ち込んでしまったことが分かります。(名古屋市市民経済局地域振興課(2020)による学区別生活環境指標を基に作成)

また、以下のレーダーチャートは、名古屋市における各区の町内会加入率の遷移を示しています。どの区においても、ここ数年で加入率が低下していることが伺えます。(ibid. 2020)

続いて、加入率の低下および役員のなり手不足の原因について明らかにします。

  • 加入率の低下の原因
    • 入会に伴って発生する仕事・近所づきあいが面倒くさい=仕事量
    • 若者・子供がいない世帯にとって入会する明確な理由がない=意義や魅力
  • 役員のなり手不足の原因
    • 共働き世帯の増加による多忙=仕事量
    • 役員をやることによるメリットがない=意義や魅力

以下グラフは、若者にとって町内会に入会する明確な理由がないことを示しています。特に18~29歳の若者にとっては町内会は大きな存在ではないことが伺えます。(内閣府 (2019)による「少子化対策と家族・地域のきずなに関する意識調査」を基に作成)

また、以下のグラフからは、共働き世帯の増加が伺えます。1980年には男性雇用者と無業の妻から成る世帯が多くを占めていたのに対し、1990年代には両世帯がほぼ同数となり、近年は雇用者の共働き世帯が圧倒的に増加していることが分かります。このような局面において、町内会の業務は負担と感じられることが多く、また、町内会の活動への参加が困難であることが推察されます。(厚生労働白書(厚生労働省, 2018)を基に作成)

このように、加入率の低下および役員のなり手不足の原因として様々なことが考えられますが、まとめると以下の2つが原因としてあげられます。

加入率の低下と役員のなり手不足の原因2つ

  1. 町内会入会に伴う仕事量が負担である
  2. 町内会に入る意義や魅力を感じられない

解決方法

以上のような町内会の抱える課題およびその原因を解決するために、次のような解決策を提言します。

それは、Webサイトを作成&活用することによって、「仕事量の調整・効率化」および「意義や魅力の形成」を行うというものです。

具体的には、それぞれの原因を次のように解決します。

  • 仕事量
    • 「選択」に関する事項に関しては金銭か労役を選択できるようにする
    • デジタル化により負担を減らす(回覧板、名簿、集金、出欠管理)
  • 意義や魅力
    • 地域に特化した詳しいハザードマップなど、必要不可欠な情報を提供する
    • 町内会に入ることによって公共サービスを受けられているということを実感できるようにする

私たちが提供するWebサイトは、原因を解決するための上記の機能をしっかりと組み込んだものになっております。

ぜひ、お気軽にご登録ください。

町内会の課題を解決するWEB化

町内会の課題を解決するために町内会をWEB化しました。デモ町内会サイトをぜひ一度ご覧ください。